随想((株)波多野調査設計 板垣光)
株式会社波多野調査設計
代表取締役社長 板垣光
みなさん、あけましておめでとうございます。
私は1962年(昭和37年)寅年生まれの60歳で、昨年無事還暦を迎えることができました。
趣味は家族との旅行です。特に東京ディズニーリゾートと京都が大好きで、機会を見つけては訪れています。夢は京都に通年で住み、街の隅々までゆっくり散策し季節の移ろいを楽しむことです。
私は専門学校を卒業後20歳で入社、気が付くと40年が経ちました。入社当時は10人程の会社で、とにかく「働け、働け!」でした。この時代はどこの会社もそうだったのではないでしょうか。
昼は外業(測量・調査)で稼ぎ、帰った後は内業(設計)で稼ぐ。とにかく残業は多く休日出勤は当たり前でした。でもそれが不思議と苦ではなかったのです。それは何故かというと何か特別な活気があったからです。自分だけが遅くまで働くのではなく、先輩も一緒に遅くまで残り助けてくれました。仕事だけでなく時には夜中から飲みに行ったり、このころ流行ったゲームセンターなどに遊びに行ったり。疲れてはいたけれど、楽しいことも多かったのは確かです。若くて元気だったあの頃がとても懐かしく思えます。
1年目を終えるころ、怒られてばかりの自分を不甲斐なく思い、あと2年で先輩を追い越してやろうと決意しました。努力の甲斐があってそのころには「樋門樋管の設計」が一通りできるようになりました。当時、社内では私一人だけでした。
もちろん自分だけの力ではありません。元請の方々から多くのご指導をしていただきました。その方々には今でも感謝の念に堪えません。
自分に自信が持てたのはそれからです。人間は何かのきっかけで大きく成長する時があります。私にとっては正にその時だったのです。それからは更に仕事が面白くなり、やればやるだけ自分も会社も成長していくという実感が得られ、楽しさを感じながら働いていました。最近の事より昔の事を一番に思い出すのは年のせいでしょうか。
私の座右の銘は苦労した頃に感じた「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」で、今もなお心にとめている言葉です。ここ7~8年来は、ある書に書かれていた「梅霜雪凌放清香人難苦嘗遂成功」という言葉です。「梅は霜雪を凌いで清香を放ち、人は難苦を嘗めて成功を遂げる」というもので、言わんとしているその意味に心惹かれています。
弊社は創業45年、社員数80人余り。測量・調査・設計を生業とし、「社会に必要とされる会社であり続ける」ことを経営理念としています。そのために大切にしていることは「会社しいては個人の品格の向上」です。行動指針の抜粋です。
・挨拶の励行、感謝の言葉を伝える
・報・連・相・報(最後にもう一度結果を報告)
・会社を大切にし、心身の身だしなみを整える
・当たり前のことを当たり前にやれる人間になる
中身は基本的な事ばかりですが、それを実践し継続することは一番難しいことと実感しています。
私たちの仕事は必然的に社会貢献をしている分野といえるでしょう。それゆえ大風呂敷は広げず、一歩一歩確実に前に進んでいきたいと思います。
