測量設計Q&A

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設計図書と設計書は違うのですか。

平成14年4月新潟県土木部作成の「測量・設計・調査業務委託標準仕様書」によれば、「設計図書」とは次のとおりであります。

  1. 「設計図書」とは、仕様書、図面、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。
  2. 「仕様書」とは、標準仕様書及び特記仕様書(これらにおいて明記されている適用すべき諸基準を含む)を総称していう。
  3. 「標準仕様書」とは、各設計業務等に共通する技術上の指示事項等を定める図書をいう。
  4. 「特記仕様書」とは、標準仕様書を補足し、当該設計業務等の実施に関する明細又は特別な事項を定める図書をいう。
  5. 「現場説明書」とは、設計業務等の入札等に参加する者に対して、委託者が当該設計業務等の契約条件を説明するための書類をいう。
  6. 「質問回答書」とは、現場説明書に関する入札等参加者からの質問書に対して、委託者が回答する書面をいう。
  7. 「図面」とは、入札等に際して委託者が交付した図面及び委託者から変更又は追加された図面及び図面のもとになる計算書等をいう。

なお、「設計書」は、上記仕様書には定義付けされておりませんが、「設計図書」と同意語として使われいることが多いようです。

県内の測量会社に務めておりますが、新潟県測量設計業協会とは、何年頃、どのような人たち、または、どのような会社関連の人たちによって出来たのでしょうか。すみませんが詳しく教えて頂けませんでしようか。宜しくお願いします。

(社)新潟県測量設計業協会の設立経緯について
当協会の設立経緯については、協会設立20周年記念誌に、当該記念誌の編集委員長を務められた桑原清作氏が「(社)新潟県測量設計業協会の20周年を顧みて」の中で、別添のとおり、詳しく述べられておりますので、その一文を参考にしてください。
社団法人設立時の会社(17社)名も分かりますが、現在、協会員でない方もおられますので、公開はご容赦願います。
添付(PDF)

閉合をして、結合をしてという具合に作業を進めておりましたが、今回新たに公共基準点を使用して土地の境界を復元することになりました。そこで厳密網平均を行おうと思いチャレンジしたのですが、うまく計算をしてくれません。そこで初歩的な質問で申し訳ないのですが、閉合した点より放射で基準点を観測するだけでは網は組めないのでしょうか?やはり既知点を後視点にし既知点に繋ぐということで解決するでしょうか?言葉足らずで申し訳ありませんが内容を察してお答え頂ければと思います。

質問の内容からしますと、公共基準点を使用して厳密網平均を行い、計算をしたとの事ですが、観測方式は結合多角方式に準じていることを前提にお答えします。なお、基準点測量の結合多角方式については、「国土交通省公共作業規定解説と運用」P.53に詳しく解説されていますので、ご参照ください。貴社の作業方法による『閉合点より放射で基準点を観測した』については、作業規定によれば、方向角の取付けが絶対条件ではないので、観測については良いと思われます。そして網も組めると思います。また計算については、日本測量協会が管理する「電算プログラム検定台帳」に登録されているものであれば計算可能です。それでも計算しない場合は、多角網の見直しと、使用されているソフトが上記の観測方法に対応(方向角の取付け有無)しているか再検討する必要があります。

標高にはDLとTP(Tokyo-wan peil東京湾中等潮位)があると思いますが、DL=TPではないのですか?

高さの基準高さの基準として、国家基準点となる水準点(国土地理院所管)および各港湾毎に定められた最低水面(別称:DL)のほか、各地方にA.P(荒川基準面)、Y.P(江戸川基準面)、O.P(大阪基準面)等、各地方固有の各種基準面が存在する。国家基準点の高さの基準は、国土地理院が管理する水準点に示されているが、この標高は東京湾平均海面(別称:T.P)からとされている。 T.Pとは、明治6年6月から12年12月までの6年間、東京の霊岸島において行われた量水標による海面の観測結果から得た平均海面を指し、日本水準原点(24.4140m、大正12年以降)に移し定めた基準面である。各港湾における最低水面(DL)は、「平均水面、最高水面及び最低水面一覧表」で提供され、海図水深の基準となっている。このほかの各地方固有の基準面があって、測量計画の条件によって採用することがある。近年、GPS測量によって、楕円体上の観測点の高さが3軸直行座標の1つとして、容易に得られるようになっており、高さの基準として利用しようという考えが生まれつつあるが、GPS測量による楕円体高と従来の標高とは、楕円体面とジオイド面(等ポテンシャル面)とが異なることに起因する差異があることに留意しなければならない。また、高さの基準として、陸地測量においては、T.Pが用いられ、水路測量では、最低水面(DL)が用いられているのが一般である。一方、水路測量では、海岸線、干出線、山・島・岩や地物の高さ、水深等の表示の基準として、最高水面、平均水面、最低水面等との関係を下図に示した。海洋調査技術マニュアルより(社団法人海洋調査協会発行)

水準測量の報告書を見て分からないことがあるので教えてください。標高(DL)と標高(TP)とありますが、何の略で、どのように使い分けるのでしょうか?(測量簿の標高はDL表記になっています。)

標高(DL):Datum level 基本水準面のことです。水路測量における水深の基準となる水準面。特に、海図における水深の基準のなる水準面をいう。ほぼ、最低低潮面と一致する値で略号を「DL」で表すことが多い。(国際的には「Z0」(ゼットゼロ)で表す)各地の基準面などについては、「平均海面および基本水準面一覧表」として海上保安庁水路部より刊行されています。標高(TP):Tokyo-wan peil 東京湾中等潮位のことと考えられます。・ 水準測量で、ただ「TP」だけであればTurning Point (移器点、もりかえ点)も有りますが、ご質問の文面からは上記のことと思います。標高の基準となる面、いわゆる海抜0メートルの面をいう。地上各点の標高はこの面からの鉛直距離で表すが、利用しやすいようにした陸上の基点(日本水準原点)は、この面より+24.4140mに位置します。

「測量用語辞典」(共立出版株式会社)より抜粋加筆

単路線方式で、既知点が2点または3点しかないときの理論式(条件式)を教えて頂きたいのですが。(WE型、EE型、WW型、EW型)の理論式は判るのですが、いずれも既知点が4点でのことなので。

一般的な基準点測量の単路線方式で、既知点が2又は3点ということは、両端での方向角の取付ができないので、ご質問の条件式は成立しません。座標値については、起点及び終点の座標をXa、Ya及びXb、Ybとすれば、 XbーXa={S cos α}、YbーYa={S sin α}(ただし、”α”は測定夾角(β)の関数)でなければならないことは、ご承知のとおりです。従いまして、仮の方向角又は実測値を使って、座標計算をして、単純に座標の出合差分を距離で補正することになります。 ΣδX(S/ΣS)、ΣδY(S/ΣS)のように計算すればよいと思います。

道路の高低について調べています。どうしてもわからないのでメールさせていただきました。TP値について教えていただけないでしょうか。おねがいいたします。

道路の高低というだけでは、本当のところ分かりませんが、一般的には次の意味があります。

  1. Turning Point…移器点、もりかえ点
  2. Tokyo-wan Peil…東京湾中等潮位、AP(荒川量水標零位)とともに、関東近傍の河川計画・河川工事などに利用される高さの基準面をいう。
  3. Takahashi-Peil…高梁川の零点高、高梁川流域に於ける河川計画・河川改修などの基準面で、その河口(岡山県)にある量水標0目盛の位置をいう。

東京湾平均海面からの高さは±0m、すなわち東京湾平均海面と同高の位置にある。(出展:測量用語辞典/日本測量協会) ご質問の文面から、おそらく”構造物等の高さ表示”で、東京湾中等潮位からの高さのことではないでしょうか。

はじめまして、私は建設コンサルタントに従事しているものです。普段は設計全般ですが、まれに測量をするときがあります。先日、水準測量を行っているとき、標尺を前後に振れと器械手に指示されました。なんのために標尺を前後にふるのでしょうか?簡単なことなのでしょうが・・・教えてくだされば助かります。

標尺を前後に振り、それが垂直になった時に水準儀の読みが最少となり、正しい数値が観測できるからです。
ただし、標尺目盛面の最下端を支点として前後に振ることが重要です。標尺には厚みが有るため注意が必要です。また、このよう方法は低精度な測量には用いられますが、正式には気泡管を標尺に装着して行われた方が良いと思います。

測量設計業協会の目的は何ですか?(新潟市 Mさん)

測量設計業協会の会員は、限られた国土の有効利用の向上、自然環境の保全、整備並びに自然的災害の防止、復旧に関する事業分野に位置することにかんがみ、測量、設計および管理に関する業務の改善進歩をはかり、もって公共事業の円滑なる推進と公共の福祉の増進に寄与することが、協会の目的です。


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