会員 随想

随想((株)長測 渡邊信治)

株式会社長測
代表取締役 渡邊信治

 この度は、新測協だより「シリーズ私」に掲載いただきありがとうございます。
 私は、昭和44年(サザエさん放送開始)、山口県宇部市生まれで、現在53才です。
 昭和63年(上越新幹線開業)、高校3年時の就職活動では、とにかく大手企業に就職できれば安定した生活が送れるものだとの思いから、念願だった優雅な一人暮らしを夢見て、愛知県の大手企業に就職したものの、現実はあまくなく1年足らずで退職し、社会の厳しさを思い知ることになりました。
 平成元年(消費税3%がスタート)、兄の薦めで東京にある叔父が経営する会社に就職することになりました。この会社は音楽事務所、飲食店、洋服店を営んでおり、最初は高校時代のアルバイト経験を活かし、飲食店での勤務がスタートしました。慣れない標準語に苦労しながらも、お客様と接する楽しさを実感できるようになった頃、音楽事務所に異動することになりました。音楽事務所では、付人としてライブ活動で全国各地を回っておいしいものを食べたり、ファンクラブのイベントでハワイ観光をしたりと充実した毎日でしたが、同じ職場で働いていた妻との結婚を機に、妻の実家のある長岡で暮らすという人生最大の決断をすることになりました。
 平成6年(ドラマ家なき子が大ヒット、「同情するならカネをくれ」が流行語大賞)、測量専門学校を卒業後、24歳で株式会社長測に入社し、もうすぐ30年を迎えようとしています。入社当時は、ようやく携帯電話やインターネットが一般にも普及し始めた頃であり、UAVやCADといった便利な機械はなく、測量現場では、光波測距儀で基準点測量→平板で平面測量→レベルで縦横断測量を行い、平面図や縦横断面図は手書きで素図を作成したのちに製図技術者がマルペンでトレースをする時代でした。特に雪の降る冬場の平板測量では、指先の感覚がなくなるほどの寒さに耐えながらアリダードを覗いていた頃をなつかしく思います。
 測量業界も近年では、新3K(給料・休暇・希望)の実現に向けて、いろいろな課題に取り組んでいるところですが、降雪前の繁忙期や災害時の現場で働く皆さんへの感謝の気持ちを忘れてはなりません。
 令和4年8月3日からの集中豪雨は、激甚災害に指定される程の大きな災害となり、県北地域では甚大な被災が発生しました。私の暮らす中越地域でも平成16年10月の中越地震や平成23年7月の新潟福島豪雨などでは多くの県内協会員の皆様から応援を頂きました。中越地震発生から、まもなく20年を迎えようとしていますが、地震当日の大きな余震の恐怖に震える子供たちの表情が今でも忘れられません。
 毎年のように全国各地で猛威を振るう豪雨災害や地震災害は、もはや異常気象という言葉で表現するのは適切でないという報道をよく耳にしますが、子供やお年寄りが安心して暮らせる災害に強い街づくりに貢献できるよう、これからも精進して参ります。

【株式会社 長測 社屋】
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