会員 随想

随想((株)新潟測量設計社 川本孝行)

株式会社新潟測量設計社
代表取締役 川本孝行

 この度、令和4年2月に代表取締役に就任いたしました川本孝行と申します。昭和46年に新潟市西蒲区(旧巻町)に生まれ亥年の51歳です。
 小学校から中学校まではずっと野球一筋となり朝から晩まで野球尽くしでとにかく野球好きな少年でした。
 高校は新潟県立巻農業高等学校(現巻総合高等学校)の造園科に進学することになり、後に測量を志すきっかけになりました。
 高校在学中には全国の農業高校で組織する「日本学校農業クラブ連盟」の平板測量競技会に参加いたしました。この競技内容は1チーム3名とし、平板による境界線測量及び三斜法・三辺法により面積を計算する競技で測量の正確さや時間の早さを競います。せっかくなのでここで詳しく内容の説明をさせて頂きます。作業は第1次作業から第3次作業まであり、制限時間内に各作業を行います。
 第1次作業はグラウンドに予め6点杭が打たれており、測点6点の閉合トラバースを行います。
 第2次作業は6点ある各測点間の距離と決められた対角線の距離を測定し、オフセット野帳を作成します。
 第3次作業は2班に別れ、室内で作図と計算を行います。(作図班は第1次作業の測量原図を元に、三斜法で底辺、高さをスケールアップし、面積を求めます。計算班はオフセット野帳からもヘロン法で面積を求めます。)以上の作業を各チーム毎に行い、各作業の所要時間、閉合トラバースの閉合差や三斜法とヘロン法の面積差の他、作業方法、作業内容などが細かく決められており、規定どおりかを減点法で採点します。
 結果は、運よく県代表として全国大会へ出場し、上位チームに贈られる優秀賞を獲得することが出来ました。競技を通して、スポーツ感覚で平板測量を楽しむことが出来ました。時代遅れな平板ではありましたが、これがきっかけで次第に興味を持つようになりました。
 高校卒業後、測量の資格取得のため、東京の中央工学校の測量設計開発科に進学しました。学校では新潟県出身者がいて、共に測量を学びました。卒業後の今でも学業を共にした同級生とはたまに会うと会話が不思議と盛り上がります。
 平成3年から新社会人として、社会に貢献しようと右も左も分からない頃は、緊張と不安で押しつぶされそうになりました。幸い、最初にお世話になった会社の上司、先輩方に恵まれ少しずつ成長することが出来ました。その後、一身上の都合で退職し、縁あって㈱新潟測量設計社に入社させて頂くことになり現在に至ります。
 現在、当業界の発展には若手技術者の人材確保が必要不可欠だと思います。私の場合は偶然にも測量というものを学校で学ぶことが出来ました。昨今、私が学んだような学校が何校か閉校となっていると聞きます。少子化の影響もあると思いますが、実際このような学びが減っていることで測量設計業を目指そうとする若者達が居ないのかもしれません。これから会社経営を安定させるにはまず人材の確保だと思います。積極的に未経験者の方を採用するなど入社後の研修や教育担当者を配置するなど手厚いフォローをし、魅力ある会社を目指していきたいと思います。
 最後に、これからも感謝の気持ちを忘れず努力してまいる所存でございます。何卒、ご指導、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

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