会員 随想

随想((株)頸城技研 鈴木秀城)

株式会社頸城技研
鈴木秀城

【あたふた】
 今は10月、日本人二人によるノーベル賞の受賞と、ラグビーワールドカップの日本代表の活躍で、「日本人の誇り」と明るいニュースが連日報道されている。
【趣味は・・・?】
 「趣味は何ですか?」と聞かれるといつも困ってしまう。以前は、「読書」と答えていていたが、最近は近視も遠視(老眼)も乱視も進み、近くも遠くも良く見えない。読書をすると疲れてすぐ眠くなる。高校から10年位ラグビーをしていたので、ラグビー観戦も好きだったが、最近はあまり見なくなった。しかし、今年のワールドカップは、久々にビデオに録画したものを再生して観ている。
【ラグビーで想いだされる人】
 ラグビーにはいろいろ思い出もあり、楽しい出会いもあったが、50も半ばを過ぎると別れもある。
 オーストラリア育ちで、チームでは一番野性味あふれ、病気に最も縁のなかった同期の西川が、2年前に癌で亡くなった。大手自動車メーカの研究所に籍を置きながら、海外青年協力隊として出かけて行った髭を蓄えた無骨なロックだった。
 2年上に、土木の先輩でもある岡島さんがいた。ウイングをしていた。1997年、カンボジアへJICAのコンサルタントとして出張中に内戦の砲弾があたり、亡くなった。その後、彼の携わったカンボジアの国道6・8号線の工事が、カンボジアの復興・発展に大きな役割を果たしたとして、紙幣のデザインになった。
 その時、遺体の引き取り等に尽力したのが、岡島さんと同年生で外務省にいた奥勝彦さん。その奥さんも5年後にイラクで大使として非業の死を遂げた。外交官を目指すため、体育会のラグビー部を辞めて、私たちのクラブチームに籍を置いた。
そこで脳膜に血がたまる怪我をし、手術・療養のためにしばらくラグビーから離れていたが、4年生の時、一度だけ一緒に試合に出た。私は2年生でセンター、奥さんは4年生でフルバック、五郎丸と同じポジションだ。私が、タックル出来ず抜かれた相手に頭からタックルし、「鈴木、病み上がりの俺にタックルさせるなよ」と笑って言った。忘れられない一言だ。あの時も体を張って役割を貫く人だった。自分の責任を果たすことが、チームプレー・チームワークの基本だと、今も心に残る。
 仕事でも、志半ばで、逝った仲間もいる。人生は、ラグビーの楕円のボールと同じく、思うように転がらない。
【One for all all for one】
 最近のラグビーは、他のスポーツ界の流れに倣い、人気を呼びこむ努力をしたり、商業性を重視したりするようになってきた。しかし、今まだアマチュアリズムの色濃く残っているスポーツであり、国や母校の誇りや名誉のために戦うスポーツでもある。
 貧しい国や恵まれない人のために、災害復旧や復興のために、力を注いだ人達がいる。我々の仕事も、社会や地域に役立つ素睛らしい仕事だと思う。私は真摯にそれに取り組んでいるか?ラグビーを見ながら、彼らのことを思い浮かべるとき、反省と自問をすることもある。
 いろいろな経験や人から学び、今の私がある。
ラグビーから学んだことも多い。
 One for all, all for one.(一人は皆のため、皆は一人のため)会社経営でも、私の土台になっていると思う。

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