会員 随想

家庭菜園((株)ネット 小林一男)

株式会社ネット
小林一男

 家庭菜園を始めたきっかけは、20年前一戸建ての中古住宅を購入した時に家の敷地の庭を利用して草花・野菜などを植えようと思ったことからでした。
 小学2年生までは、農家で育っていたので簡単に考えていましたが、いざやり始めると非常に奥が深くとても大変であることに気づかされました。引越しした時に、庭にある7m程度の樹木10本程度と芝生を撤去するために父親に応援を頼みました。建設機械で行えば簡単ですが、いろいろな体験をするため父親から樹木の伐根方法を教えてもらいながら手作業で行いました。
 まず最も太い樹木の根元にワイヤーを掛けて伐根し、次に結びウインチを掛け根元を掘りながら引っ張られている根を鋸で切落として少しずつ倒していきます。掘削は、根が邪魔で小スコップ・金テコ・平バールで少しずつ掘り進むため捗らず根気と労力が必要でした。特に最後の2本は、両方の根元を掘りながら同時に伐根して倒木しないといけないことを父親に教わりました。言われれば当然と思いますが、一人でやれば1本を残して途方に暮れていたと思います。
 倒木後は、枝を払って幹を持てる程度に切り揃え道路側に積み上げ、業者の方に掘り起こした芝も合わせて処理して貰いました。
 畑作りがこれほど大変だとは予想もしませんでした。昔の開拓された方々の苦労の一部に触れた思いがしました。
見様見真似で始めた野菜作りは、とても奥が深く難しい事に痛感させられました。以前は、ドライブで畑の野菜が立派に生長し、実っている風景を見掛けても自然の一部としか見られなかった私が、素人菜園を始めてからは育苗・うね立て・施肥・病害虫防除等のいろいろな農作業を経て、美味しい野菜が食卓に並ぶ喜びを身に持って学びました。
 今の農業は化学、生物学、気象等のいろいろな知識がないと務まらないことを痛感しました。また、地域特性の土壌、水質、気候を把握して、今までの経験を生かしながら野菜作りされていることも知りました。
 春のやさしい日差しを背中に浴びながら土を耕し、土の中から出てくるセミの幼虫を孫たちが見つけ、虫かごに入れたり出したりして遊んでいる光景が日頃の疲れを忘れさせ、とても楽しい気分になります。
 また、みんなでベランダに腰を下ろし、ビールやジュースを飲みながら植える野菜について相談する事も楽しみの一つです。今までは、トマト・ナス・キュウリ・スイカ・メロン・カボチャしか植えたことがないので、新たに色つきピーマン・トウモロコシ・タマネギを植えようとみんなで決め、収穫を夢見て苗や種を買いに出掛けたりすることもあります。
 我が家の生活に安らぎと潤いを与えてくれる家庭菜園をこれからも長く続け、子供や孫に素晴らしさを少しでも伝えられるように、探求心を持って美味しい野菜作りを楽しみたいと思っています。

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