随想（日伸技術（株）　太刀川孝一）

日伸技術株式会社
太刀川孝一

　ある日突然、協会より寄稿依頼があり、「あっ」という間に2ヶ月が過ぎ、いよいよ締切りが押し迫って来ました。さて何を書けばよいのか。依頼文にはシリーズ「私」に「趣味・特技・地域活動」などについてとあるが。
　私自身、人に自慢できるこれといった趣味も特技もない。
　では休みの日は、どのように過ごしているのだろうか。そうだ趣味・特技ほどではないが、好きなことなら幾つかある。一つは今流行の「DIY(Do it yourself)」簡単に言えば「日曜大工」それに無類の「通販マニア」である。
「DIY」は、最初家の洗面所に簡単な棚を作ったところ、これが家族に好評でついつい調子に乗り家中に棚を作った始末である。棚の他は、本箱や踏み台・テレビラックなど簡単な物を作っては一人悦にひたっている。（実はテレビラックは、自分ではよく出来ていると思っているのだが家族にデザインが不評である。）
「DIY」は作るのも楽しいが、材料や工具をホームセンターに探しに行くのもまた楽しく、ついつい不要な物まで購入してくるのが玉に瑕である。車庫には一回使用したきりで使わなくなったエ具も数多くあり、家族からは大変迷惑がられているが、私は全然気にしておらず、いたって満足しているのである。
　もう一つの好きなことは「通販」である。深夜に通販番組を見ていると、よくやっている「洗剤系」の商品に弱い。私自身そんなに綺麗好きではないが、油で汚れたガスコンロが簡単に綺麗になり、さらにアメリカ海軍認定・ドイツ環境省の基準をクリア・地球環境に配慮したなどの宣伝文句を聞くだけで、どれだけ綺麗になるんだと、購買意欲をそそられてしまう。
　妻に「ジェット戦闘機も洗えるんだから、凄いんじゃない」と言うと、かならず「前に買ったのがまだ残っているし、家のコンロはテレビのように汚れていない、テレビに映るようなコンロの家はない。家には必要ない。」と言われてしまう。もっともであるが、どうしても欲しくてこっそり購入し、商品到済後にまた怒られる。
　そんな中、通販で購入し、予想以上に好評だったのが、浴室の鏡のクリーナーである。湯気で曇り鏡の役割を果たしていなかったのが、このクリーナーで新品同様になったのである。これには家族から大変感謝された。ただし、後日ホームセンターに行ったら、同じものが売っていたのにはショックだった。

　最後に、最近私が感銘を受けた言葉の一つに、故・スティーヴ・ジョブズ氏が2005年に母校で行った、伝説と言われるスピーチである。
「今日が人生最後だとしたら、今日やることは本当にやりたいことだろうか」「自分の心や直感に従う勇気を持て」。これから新しい生活、新しい仕事に向かうすべての人たちへ、その答えに「No」が返ってくる場合は何かを変えなければと思うのだ。
　確かにそうだと思った。しかし、現実的にはなかなかできることではないが、今から少しずつでも自分自身にこの言葉を問いかけ毎日を過ごしていきたいと思う今日このごろである。