会員 随想

随想((株)岡田測量 岡田大)

株式会社岡田測量
岡田大

 当協会、そして会員の皆様には日頃から大変お世話になっております。上越地区会員の岡田です。
 当社は先代が昭和46年に「岡田測量事務所」として設立し、今から12年前、私に代替わりし、今年で43年目となります。
 思い起こせば12年前、私が初めて出席した当協会の総会の時、周りを見渡せば私より一回りも二回りも年上の先輩ばかり。(中には三、四回りも年上の大先輩も多数いらっしゃいました。)圧倒的年少者であり、新参者の私が初陣にて焦りと緊張を隠せない状況下、上越地区の会員様はもとより、その当時は未だ見知らぬ中越、下越地区の会員の皆様より温かくお声掛け頂き、ようやく体中の緊張感が解けてきた事を、昨日の事のように鮮明に覚えております。その節は大変ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。
 あれから今日まで、我々業界を取り巻く状況が大きく変化してきた事を痛感しております。各社独自に生き残るべく、経営方針の改革、人員配置の見直し、進歩し続ける測量設計技術への対応等、並々ならぬ改善努力を重ねているのが現状です。
 ベテラン世代が次々退職し、若手技術者の確保が困難な中、従業員数は減少、良くて横這い。当然の如く主力技術者の平均年齢は毎年上がり、各自への負担は増加の一途であります。
 現在、当業界発展に絶対不可欠なのは、まず第ーに「若手技術者の確保と教育」だと思っております。(実際容易な事ではありませんが...)
 昨今、度重なる自然災害による復旧事業には、何と言っても絶対的なマンパワーを要します。ここで必ずぶち当たる壁が人員不足です。かと言って激減している通常の公共事業を考えれば、容易に人員を増やせません。しかし、増員しなければ現在在籍の技術者に多大な負担が掛かり、対応し切れません。
 その様な時に雇用を考えると、通常業務でも使える「即戦力となる技術経験者」となります。確かに効率の良い生産にはベストです。しかしこれでは「何処かで人員が減少し、その分だけ何処かで人員が増加している」に過ぎず、この業界全体のかさ上げでは無い様な気がします。また同時に若手参入の機会を閉ざしかねません。
 古くからの測量設計関連の専門学校も生徒不足の為、何校か閉校となっていると間きます。少子化による影響も十分あるでしょうが、実際我々の業界への魅力や関心が薄れているせいではないかと考えてしまうのは私だけでしょうか。
 政府が雇用促進の一環として最低賃金の引上げ等、一般労務単価の向上に取り組んでいますが、専門技術単価は減少ないし横這いが現状です。これでは業界全体の現状維持すら危ぶまれます。そして今後測量設計業を目指そうとする若者達に希望の光が見えません。
「公共事業の増加」・「技術単価の向上」これらが今後の鍵になるのは確かですが、これは我々会員だけの力では実現不可能な為、政府・行政にアピールして行くしかありません。
 しかし、測量設計業の役割・重要性・可能性を更に世の中に理解して頂く為の努力は、我々協会の今出来る使命ではないかと思います。
 少しずつでも当業界に活路を目指す若者が増え、同時に業界全体がその希望に応えていき、未来に向けて活気ある測量設計業になって行く事を期待し、胸膨らませている今日この頃です。

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