会員 随想

「私」((株)あさひ測量設計事務所 金子仁)

株式会社あさひ測量設計事務所
金子仁

 ある日、シリーズ「私」への寄稿依頼が舞い込んできました。このような文章を書くことは、私にしてみれば有史以来苦手としており、されど断りきれるものでもなし、諸先輩方も経験された事だと割り切り、受けることと致しました。悩んだ末、表題どおり「私」という題ですこし綴ってみようかと思います。
 「私」曰く、十五才にして志したものと云えば高校への進学。三十才で確立したものは、今から想えばなんとなく入ったこの業界で仕事の面白さ、やりがいを感じこのまま続けることを確立した。四十才で惑わずのはずが、この後の政治惜勢で業界全体は一変し、大いに戸惑う破目となりました。そして、五十才このときに天命を知ることとなり、いや知ることとなったのか図らずも当社の代表となりました。この先、六十才までには何を聞いても動ぜずと生きたいものであるし、七十才の頃には心の欲する所に従って矩を踰えず、と生きたいものであります。
 こんな「私」にも人並みの自分史があったんだと振り返りながら、多くの人に巡り会い多くの人に助けられて今日まで来たように思います。学生時代は楽しくもあり、また苦しいことも多々ありました。友人に恵まれそれなりに楽しく過ごすことができました。先生方にはやはり頭があがりません。その頭がそれなりでしかなく、学校では実力を発揮することはできませんでしたが、試験運は良いのか資格試験には合格(両手ほどチャレンジすると鉛筆がよく転がるのです)することができました。
 仕事においてはここには書けないくらい多くの方に巡り会い助けていただきました。改めて感謝申しあげます。またいくつかの失敗もありました。
失敗したことのほうがよく覚えているもので、ご迷惑をお掛けした方々にはこの場を借りてお詫び申しあげたいと思います。これらを思いだしながら、いまこの年になって漸く「おかげさまで」「いつもお世話様です」という心境に達してきたように思います。
 「私」を知る方がこれをお読みになられたら、「おいおい、そうか~?」と思われた所があるかもしれませんが、多少の脚色はご容赦いただきたいと切に願います。恥をさらしても動じなくなるまで今暫くお待ちください。

 本年3月に発生した東日本大震災、時を同じくした長野新潟両県に跨る地震災害、7月末に発生した新潟福島豪雨災害と天変地異に抗うことはできません。我々業界を取り巻く環境は逆風を通り越し転覆を起こすかのような暴風雨のなか、存在すら否定するかのような状況もありました。時の政治・社会の情勢に逆らうことはできませんが、昨年の大雪を見ても建設業界の方々は、その存在意義・価値を大いに発揮され社会に認めさせているように思います。我々業界も平成16年の災害を契機として、新潟県及び県内市町村等と災害応援協定を締結し、以後の災害においては県測協を中心としてその役割を果たして来ました。こんなときこそ、こんなときだからこそ会員が一丸となってより積極的にアピールすべきと思います。なかには(災害が起きて)「忙しくなっていいね」とか揶揄する方も中にはいるかも知れませんが、そんな方はこっちにおいといて、我々会員はその存在を大いにアピールし、今できることを着実にこなし期待に応え信頼を得て生きていきましょう。

このページの先頭に戻る

会員企業DB 会員専用サイト 国土交通大臣表彰を受賞しました 若きプロフェッショナル 新測協だよりの最新刊や過去号をご覧いただけます。 測量設計用語を集めました。“測量設計用語集” 測量に関する仕事人の話“会員随想” 新潟県の見どころを紹介“越佐ところどころ” 会議日程のご案内 当協会へのお問い合わせはこちらからお願いします。 大河津分水 通水100周年 関屋分水 通水50周年