会員 随想

自然から学ぶ(㈱あいば測量設計コンサルタント 相羽良雄)

株式会社あいば測量設計
相羽良雄

 水害及び中越地震に 遣われた方々に心からお見舞い申し上げます。
 さて、このところ日本各地において、人が熊に襲われる被害が多発しております。動物達が生活していくのに必要な食糧不足も考えられますが、山里が荒れてきている事も大きな要因とも考えられます。
 新潟県が米の生産目標100万t目指していた頃の山里は、深山の奥深くまで農地を管理し、山との境がハッキリ線引されておりました。あの時代に熊に襲われたなど聞いたことが記憶にないように思います。
 1970年頃より食生活も変化して参りました。主食である米が余るようになり、政府は減反政策を農家に協力を求めて来ました。農家は仕方なしに深山の田を減反し管理してまいりましたが、余りにも長い減反政策で山里の農家は、高齢化し耕作放棄を余儀無くされ、今はカヤ、ヨシ、ハンノキ等々が立派に生い茂り荒れ放題であります。1OO万t目指した頃の棚田の面影は、すっかり荒廃地となり、今は地すべり発生の要因と成っております。これは、時代がもたらした副産物なのでしょうか。
 私も山育ちであります。幼少の頃から父親の後姿を見てまいりました。秋が終わると杉林、雑木林、山道等山の手入れに事かくことはありませんでした。我家において、代々植林をすることとなっております。木の育ち具合を見ると、誰が植林したのかはっきり判別出来ます。私も10年前から毎年少々植林し、現在杉 1000本、ケヤキ230本と成りました。ケヤキは、減反した田に植林、胸高で直径20センチにもなり、積雪にも耐えられる大きさに育っております。親が植林したものは、相続人が管理する事となっておりますので、今後子供達に山の手入れ、植林の大切を伝え代々この家訓を継続して行かねばなりません。
 植林も温暖化防止に大きく貢献しております。日本の森林の価値を代替法で計算すると、年間39兆円の働きをしていると言われております。
 大気の浄化(CO2の吸収等)18兆円、水源涵養(緑のダムとして水を蓄える)4兆円、土砂流出防止(災害防止機能)8兆円、その他烏獣保護や保健休養などで9兆円と成っている。まさに森林はCO2を吸収する緑のタンクである。・文献を引用
 これからも毎年、木の成長を楽しみながら少しづつ植林に努めて参りたいと決意し一人でも多くの方々が賛同されることを期待して止みません。以上

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