会員 随想

私の実体験(㈱タイヘイ 冨崎伸昭)

株式会社タイヘイ
冨崎伸昭

 順番ということで寄稿要請がありましたので過去の拙い実体験の1部を綴ってみました。私が30代になった頃、私の家はかなり古い家で築年数等は分かりませんでした。親から引継いたものですが以前から外壁の下見板の破損を放置していたので、風雨にさらされ大修理をしなければならない状態でした。概略の見積を業者に頼んだところかなり費用がかかりそうなので、たまたま懇意にしていた元左官職人の人に相談したところ、道具は全部貸してもらえるということになり、なおやり方についても指導していただけるということでしたので、壁塗りを自分でやることを決心いたしました。先づ悪い壁は柱とぬきを残し全部取壊し、小舞を組む準備をいたしました、竹を割り小舞を作り間渡し竹を柱とぬきに固定してこれに小舞竹をわらなわで巻き固め壁の下地を作りました。これに荒壁を塗ります荒壁の材料は荒木田土にわらすさと川砂の適量を混練して木ゴテで小舞に塗ります。乾燥をまちながら中塗壁の準備をいたします。中塗材は土を水で練りながら泥を作り、この泥をフルイに通してフルイにかけた川砂を混ぜマニラロープを粉砕したすさを混ぜ合せ中塗材を作り荒壁のむら直しを金コテで塗りながら表面を丁寧に仕上げていきます、中塗の乾燥をまちながら上塗の準備をします。私はシックイの上塗にいたしましたシックイの材料は、石灰と海藻を煮たノリで練り合わせマニラロープの粉砕されたすさを混ぜて作ります。これを中塗の上にむらなく丁寧に金コテで塗りシックイ面を奇麗に仕上げていきます。最終の仕上げは、別の仕上げ用金コテでシックイ面を、仕上げていきます。若い頃でしたのでこんな大それたことを、完全にやり遂げることができました。この貴重な体験は、現在補償コンサルタント業務に少なからず役立っているように思います。

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