会員 随想

闘牛利春号(高橋調査設計㈱ 高橋利春)

高橋調査設計株式会社
高橋利春

 皆さんは新潟県の二十村郷(古志郡山古志村・小千谷市)で闘牛が開催されていることを御存じでしょうか。そこで私の闘牛「利春号」も活躍し千秋楽(11月3日)で今年の戦いが終了致しました。その闘牛を少し紹介して私の趣味にかえさせていただきます。
 現在日本の闘牛は二十村郷、島根県の隠岐島、愛媛県の宇和島、鹿児馬県の徳之島、沖縄県全島の5地方で開催されており、特に越後闘牛は昭和53年に国の重要無形民俗文化財に指定されております。
 越後闘牛は150頭程いて、5月から11月まで毎月開催され最後まで勝負をつけないのが特徴です。
 当日は26組の取組でビール片手に観戦です。日本の闘牛は1トン前後の雄牛と雄牛との決闘です。
 いよいよ終盤「利春号」の登場だ。牛のところに行き激励し御神酒がぬかれ、牛の背にかけ、残りを私と勢子たちとラッパのみ。我が牛の勝利と怪我のないように。
 私は引綱を持ち会場へ入場。入場門から「ヨシタ!」の大声とともに威勢良く土俵に入る。場内放送では長岡「利春号」を紹介している。相手は南平高原「高野(黒)」相手にとって不足はない、両雄引き綱をとり鼻毛(鼻に通した縄)を左手で引き頭を合せ鼻毛を抜いて威勢よく高く投げ上げる。
 闘いの開始だ。両雄ともまばたきもせず相手をにらみ威嚇している。すると突然目にも止まらぬ早さでぶつかりあう。「どうだ、俺はこんなに大きいんだ。こんなにすごい角で強いんだぞ。向かってくるか」と嚇かす。ねりを踏むという技だ。
 一本角打、両角使い、しゃぎあい、頭と頭のぶつかる音、角と角とのしゃぐ音、にぶく重く、そしてグァキ、グァキと軋む音、とにかく「利春号」は角使が激しい。
 利春号は南部牛(岩手産茶和牛)、高野は隠岐島黒色和牛、共に闘う為にのみ10余年観衆を大いに沸かせてくれた両雄である。勢子の声援「ヨシターッ、ヨシターッ」両牛全力を出しきって勝負が最高潮に達した頃、両牛とも力と技のすべてを出し切っれこの瞬間に勢子長の右手がさっとあがる。闘いの終りだ。これから勢子が殺気立った両牛を引き離すドラマが始まりますがそれは次の機会としてペンを置きます。

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