会員 随想

「しょくばのこえ?」(㈱日測 新潟支店 宮島利数)

株式会社日測 新潟支店
宮島利数

 それはある日のことでした。部長から
 「新測協だよりの職場の声に寄稿して。」
 「期限は12月5日までっ!必すっ!」
 半ば強引とも言える指名でした。
 もともと文章を書くことは”大苦手”と頭の中にインプットされており、さらに1800字もの活字との戦いは不安を余儀なくさせるものでした。
 頼まれたからには、さあて何を書こうかと思案しましたが、何でも良いとのことでしたので・・
 いつ頃からか忘れましたが、週末が近付き週間予報で土日の天気が晴れと判ると内線で悪魔の囁きが聞こえます。
 「今週末、天気良いぞうぉ」
 私は途端に慌ただしくなります。なぜ?ゴルフ場の予約と業務の調整をするためです。
 水曜日位から言い出しっぺがメンバーを集め、場所を設定して、仕事の都合が付いて行ける者でゴルフに行くのが、ここ数年の傾向になっています。
 当社に入社して12年、ゴルフを始めて8年程経ちます。ゴルフを始めるまでは
 「止まっている玉を打つだけでナァニが楽しいんだ?」
 「野球よか簡単らろっ。」

 って凄く簡単に考えていましたが、なかなかヤツ(玉)は言うことを利いてくれず、自分勝手にあちこちと動き回るわがままで、自分勝手なヤツでした。
 始めた当初は誘われるがまま散歩(農作業、環境破壊?)して、昼の一杯を楽しみに春夏秋に1回程度の1年間に僅か数回行く、いわゆる“お付き合い程度の趣味”でしたが、面白さが判るまでにそんなに時間は必要ありませんでした。
 なんでこんなに”ハマッタ”のかを考えてみると上手くいかないことが面白くて、上手くいった時が面白い。人の失敗が楽しくて、自分のミスに業を煮やす。走り回って息を切らす程ハードなスポーツではありませんが、オッサンもオバチャンも爺ちゃんも婆ちゃんも、老若男女が一緒に楽しめるものと削りました。
 上手くはなりたいけど練習場が嫌いで何時まで経っても、いわゆるアベレージゴルファーのままです。
 ここ数年で行く回数は増え、「黄金の炭酸水」の量は幾分少なくなりましたが、相変わらずヤツは言うことを利いてくれず、右へ左へ西へ東へ駆けづり廻る日々が続いています。
 ゴルフをしていると性格が出ると言われますが、自分自身は緻密な人種ではなく大雑把な人種であり「とにかく人よりも遠くへ、グリーンに近く。」を目標にやってはおりますが、そのほとんどが運に任せたものとなっています。
 当社では年に最低1回のコンペを行います。都合が付けば春秋の2回行うこともあります。
 乗せられて幹事もさせられます。幹事になると日にちの設定、場所の確保、賞品等の準備をしなければなりません。
 普段でもそうですが、コースに行く前日はワクワクしてなかなか寝付けません。
 今年に入ってからは日頃の行いの悪さからか天候に裏切られること他多くなりました。
 フェアウェイに打ったのですが、川のようになっていたり、グリーンに上がったら池のようになっていたこともありました。
 何年か前になりますが、幹事をやって一晩中全く眠れないことがありました。
 予約をしている日に台風が最大接近すると天気予報は言っています。前日の予報でも降水確率○%、最大風速△mという、まさにドンピシャです。夜も激しい風雨が自宅の窓を叩いています。眠れません・・・。
 夜中に何回もテレビを付け確認し、いい年をしたオッサンが神頼みで”てるてる坊主”を作ってみたり、神棚にも仏壇にもお願いしてみましたが、一向に天気は回復しません。
 「みんなに怨まれるうぅ。」
 と凄く心配して一夜を過ごしました。しかしコースに着く頃には風雨もおさまりました。神頼みが通じたのか、当時は日頃の行いが良かったかは定かではありませんが、楽しい一日を過すことができました。
 タイトルの「しょくばのこえ?」の内容がちょっと変な方向に行ってしまいましたが、こんな生活を送っている自分って結構気楽ですかねえ!?「ツーッツーッツーッ・・・」内線が鳴ります。
 「今週末、良い天気だぞうっ!」
 また私を悩ます悪魔の嚥きが受話器の向こうから聞こえてきました・・・。」
 最後に乱筆をお許し下さい。

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