会員 随想

思い出に残るサルスベリ(㈱新和測量設計事務所 小池健夫)

株式会社新和測量設計事務所
小池健夫

 新緑のみぎり、暑気にわかに加わり梅雨明けが待ちどおしい季節となりましたが、会員各位におかれましては益々ご健勝のことと存じ上げます。この度、県測協より寄稿依頼とのことで私に順番が回ってまいりましたので、季節柄「サルスベリ」についてのエピソードをお話致します。私は代々続く農家の長男として、産声を上げ早、半世紀、幼少の頃より、田植え、稲刈はさることながら、庭木の剪定、畑仕事、はたまた冬場の雪降ろしと今日までに数多くの経験をしてまいりました。おかげで、今もって身心共にまだまだ若いと自負しております。さて、本題の「サルスベリ」の話にうつりますが、元々庭木の好きな私は、数年前のある夏の日に、仕事帰りの車窓から淡いピンクの花をつけた1本の「サルスベリ」の木を発見して、家路にたどり着いたのですが脳裏に焼きついて、食事も喉に通らない程でした。今までに数多くの花木を見てきたにもかかわらず、この胸の高鳴りは何なのかと考えれば考えるほど、夜も寝れなくなり、悶々とする日が続きました。悩んでばかりいても仕方がありません。そこで私は意を決して、会社の部下に話を打ち明けたところ、「これからすぐに見に行きましょう」との快い返事をもらい、早々に連れ立って現地に赴いたところ、実は庭木屋さんではありませんか。当日は土曜日で、爽やかな夏の日差しの元、数組のお客が私の「サルスベリ」をとり囲んでいたのです。私は車を降りると一目散に庭木屋の主人のところへ行き、「オレのサルスベり、早く家まで運んでくんねかね」と一言、主人はきょとんとし、ただ首を縦に振るだけでした。皆さんも今までに、衝動買いを経験したことがあるでしょうが、これが私の第?号でした。人間誰でも一度や二度、思いつきの買い物をすることがあるでしょうが、今もって庭に植えた「サルスベリ」をながめる度に、あの日の感動がよみがえってきます。お陰様でその後は睡眠不足も解消され元気な毎日を過ごしております。只1つだけ秘密にしていたことがあります。その私の宝物の値段は今もって女房にも打ち明けておりません。皆様の想像にお任せし、最後に会員の皆様方のご健康を祈念し終りと致します。

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