会員 随想

随想((株)信越測量設計 原斉)

(株)信越測量設計
原斉

1. 自己紹介
 私は、昭和36年丑年生まれの58歳です。昭和59年に入社して以来34年間実務に没頭し、気が付いたら会社の先頭に立っていて、平成29年11月から現職を仰せつかりました。そしてこれまでの2年間は、新社屋建設と創立50周年事業もあって、慌ただしい日々を過ごしながら、自分の過去を振り返り、弊社の現在を見つめ、そして未来図を描いてきました。

2. 過去の振り返り
 入社当時は先輩、同僚が大勢いて、昼夜を問わず厳しい指導と楽しい慰労で、毎日が劇場のようでした。その後上司の退職により一転して個人の責任を重く感じながらの期間があり、先輩の偉大さをしみじみ感じました。そして直属の部下を持たされたときは本当に嬉しかったですし、後輩との交流、共同作業の難しさと大切さを味わうことができました。
 このころ技術士資格を取得し、業務に対する自分の発言、行動の影響力を自覚するとともに、対外的に各協会、同業者、資材メーカーの技術者との交流が多くなりました。さらに大学との共同研究や学会発表にまで至りました。
 私は多くの人と知り合えたことで、本当に豊かな技術者人生を送ってきたと思いますし、全ての関係者の皆様に感謝の限りです。

3. 弊社の現在
 弊社は昭和43年10月、新潟地震の復旧と昭和41年、42年の羽越水害復旧のさなかに産声を上げ、昨年に50周年を迎えました。設立時は社員数10名であったのが10年後には50名、そして平成6年には70名で売上高も頂点に達しましたが、21世紀に入り国家財政収支の悪化による公共投資の減少が続き、現在は30名と規模を縮小しました。
 また、この不況の20年間に新規採用を抑制したため、年代構成は40代、50代が多く若年層が少ない逆ピラミッド型になっていましたが、直近5年間新人発掘に取り組み、20代が10名を超えて若返りを図っています。

4. 弊社の未来展望
 建設コンサルタントの仕事は社会資本整備に不可欠であり、事業規模は縮小してもなくなることはありません。業界全体で考えると、このまま若年層の定着が悪い状況が続けば、自然退職者だけでも今後10年で従事者数が半分になります。人材供給量が低下すれば需給状況は大きく変動し、過当競争が少ない適正な経営に落ち着くでしょう。
 ただし、需給バランスが改善する前に会社がつぶれてしまったり、せっかく需給バランスが改善したのに、旧来の業務の枠組みを脱しきれず、人材が流出して実施能力を失い、ジリ貧のまま、あるいは解散などの憂き目にあうかもしれません。
 このため、今後の成長分野を見極め、自社の強みや技術を生かして提供できるサービスを見つけるとともに、熟練技術者たちの知識と経験を若者たちに継承し、若者たちを優秀な人材に育てることが必要です。若者たちには、自分の興味がある分野で今後伸びてくるようなニーズに関わることに集中させ、能力と技術を磨ける環境を与えてやりたいと考えています。

5. 好きな言葉
 ジャパネットたかた創業者の髙田明氏の言葉を携帯の待受け画面にしてあります。「夢持ち続け日々精進」。私はどんなときも夢を追いかけ、昨日より今日、今日より明日というように、日々少しずつでも自分を成長させようと励み、こうした心の持ち方を若者たちに伝えていこうと思っています。これからもよろしくお願いします。

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