会員 随想

随想((株)三創コンサル 伊藤範男)

(株)三創コンサル
伊藤範男

 平成29年6月1日より3代目となる代表取締役社長に就任しました。弊社は平成7年11月1日に創業致しました。当然の事ながら当時は市内で一番歴史の浅い(若い?)会社でありましたが、23年経った今も歴史の浅さでは下から数えた方が早くに社名が出てきます。改めて会社経営の継続の大変さと同時に、この業界への新規参入の難しさを実感いたしております。
 【災害級の暑さ】
 今年の夏はこんなキャッチフレーズが付けられたとおり、8月上旬までは非常に暑い日が続きました。過去には「記録的な」「過去最高の」「気象庁の統計史上最も」などといった表現もありましたが、ついに「災害級」が使われてしまいました。来年もこんな状態ならば何て表現するのでしょうか?「壊滅的な」「世紀末な」・・・恐ろしい。
 こんな年に毎回やり玉に挙げられるのが夏の全国高等学校野球選手権大会、いわゆる夏の甲子園大会です。昭和生まれの一部のオジさん達にしてみれば、これぞ日本の夏の風物詩なのであります。
 今春から導入されたタイブレーク方式や過密な日程、球数制限に続いて、ついにドーム球場での開催までも有識者から提言される有様で•••もちろんプレーしている選手や応援団、観客の健康と安全を第一に考えればドーム開催は理想的ではあるのですが…無責任にエアコンの効いた室内で観戦しているオジさんにしてみれば、やっばり聖地甲子園球場での熱戦を期待してしまいます。
 災害級の暑さの弊害はなにもスポーツの世界だけではありません。我々測量業界や土木業界でも深刻な影響を与えています。連日のニュースでは熱中症で搬送された人数が報道されていました。加えて今夏は台風が次から次に発生した夏でもありました。台風が直撃すると暴風や豪雨はもちろん、フェーン現象が我々の業界では「大敵」となります。ニュースのお天気コーナーで、よく「不必要な外出は控えましょう」などといった注意喚起がされますが、画面に向かって「不必要な外出って何だ?誰が好き好んでこんなクソ暑い中出かけるか!」などと毒づいてはいますが、我々測量の現場作業は間違いなく「必要」な外出なのであります。
 熱中症対策として、各社様々な対策を練っておられる事と思います。水分補給、適度な塩分補給、休憩時間の確保、睡眠環境を整える等などは至極当然な事であって、昔から言われ続けてきました。しかし昨今の暑さの比は昔の比ではないといった風潮から、これは対策の内には含まれない空気になっています。今夏は作業着に風を送り込む機能が付いた着衣等も支給しましたが、8月の台風によるフェーン現象で、ついに「現場作業禁止」の日を設けました。自身の若い頃には考えられない処置ではありますが、この台詞は口が裂けても言えなくなったのも時代の流れなのでしょうか。
 【激甚災害】
 今年は全国各地で激甚災害が発生しました。災害の報道を観る度に「被災県の測量設計業協会はこれから大変だ」と思います。新潟県も過去に地震、水害、豪雪等の激甚災害に見舞われてきました。その度に近隣の県測協からの協力を得て、乗り切ってきました。本当に頭が下がる思いです。
 糸魚川市でも過去に平成7災という姫川の氾濫による災害が発生しました。当時はまだ30代前半の年齢で、日中は現場作業、夜間に図面を作成、次の日の朝ーで発注者に提出してもらうといった日々が続きました。
 当時、社内でよく言われた無理偏に催促と書いて「災害」と読むとは今でも名言だと思っています。

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