会員 随想

随想((有)クラシマ測量 倉島寿)

(有)クラシマ測量
倉島寿

 私へ新測協だよりシリーズ「私」に原稿のお願いしたい旨のお話が有ったのが7月中旬頃だったと思います。10年程前に当協会に入会させていただいた時に当時、私の挨拶と私事をお話させていただいたと思います。
 あの時から10年が過ぎようとしていますがその時の原稿を読み返して当時の事を思いながら今回の原稿を書いております。
 当時は趣味としていましたゴルフから野球の審判を目指してグラウンドに立ち始め、先々は高校野球の試合に立つ思いを書いておりました。その後、各野球団体に所属し、年に数回の講習会等に参加しながら割振られた試合を担当しながら今日にいたっています。
 野球に関しては一般の方は投手のストライク・ボールを判定する主審、各塁でアウト・セーフをそれぞれのベースの担当塁審が判定する仕事の様に思われていると思います。私も実際審判を行う前は、そんな事にしか思っていませんでした。しかし一例として、【センター方向に大飛球が打たれた場合、打球に近い2塁審判がセンターが確実に捕球するかボールを追いかけて見に行き判定します、その間2塁ベースに関わる判定をする審判が居ない事になります、つまり4つのベースを残りの3人の審判員で判定すると言う事になります、この場合3塁審判が2塁ベースをカバーします】このように野球での各プレーでの判定の役割と動きは、アウトカウント・各塁の走者・打球の飛んだ位置によってすべて決められた動きによって進められています。その中に審判員同上のコミュニケーションが生まれ、助け合いが必要となる訳です。
 プレーは一瞬一瞬場面を変えて進む為、想定をしながら対応しないと頭の中と体の動きが一致しない。思わぬプレーが起こるとルールの適用ミスが起こりプレーが止まり場内への説明を求められる事も。(一旦下した判定には間違いでもそれを正当化する傾向があるが、4人の審判員でそれを正す場面も有り重要である。)
 昨今のプロスポーツの判定にビデオを取り人れ正確さが求められています。
 しかしながらアマスポーツには試合時間・経費・審判に対する敬意等からかそこまでの取り組みはない。しかし、今は地方の大会においてもビデオ撮影の画像がネット上にUPされる時代、様々なプレーの判定の画像を見ながら学習できる利便性もあるが、画像と一緒に寄せられるコメントを読むとなかなか厳しい内容もあり、いざ自分が逆の立場になったらと思うと非常に怖さも感じる。
 機会があり今年夏の全国高校野球選手権大会を審判の立場で試合観戦での研修と言う形で甲子園に行く事が出来ました。平成最後の大会であり記念すべき第100回大会を間近で見られる事はいろいろと学ぶ所が有りました。全国から毎日足を運ぶ観衆、テレビの前で観戦する全国の野球ファンの注目を受けながら試合を進行する審判員の肉体的・精神的疲労は如何ほどか、そんな中にもここ甲子園で戦う選手達審判員は互いに尊敬し合いフェアプレーに徹し、地方大会を勝ち上がる時の殺伐感はないように思う。好プレーに対し敵味方関係無く大きな拍手が沸き大応援団は自慢のレパートリーを披露し合う、(感動する!)確かに夢の甲子園と言えるのかも知れない。試合観戦と大会を運営する方々の取組み等を見せていただき改めて審判員たる自覚と基本である社会的模範と信頼される人柄で有りたいものです。
 少子化に伴う野球人口の減少が加速の一途であるが野球の普及、野球を通しての子供達、そして我々自身の人間形成の場でありたい。
 そしてまた、今後の会社運営、そして人との関係についてもこの精神を忘れず日々の対応が続ければと思っております。

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